あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~


「・・・すごい」


自然とそう言っていた


自分より小さい男の子があんな球を投げている


負けたくない


久しぶりにそう思った


「おい山内!投げるか?」


そう羽山先輩に言われる


「あ、はい!投げます!」


私はそう言って、すでに構えていた羽山先輩のミットめがけて思いっきり腕をふった


パンッッ!


私の球速は、最高でも105km/hに満たない程度。


小学5年生の頃からだんだんと三振がとれなくなって、変化球を覚え始めた


今きちんと投げられる変化球は、シンカー、スライダーそしてチェンジアップの3つ


シンカーは投手の利き腕、私は右利きだから右方向に曲がりながら落ちるボールで、スライダーは投手の利き腕と反対方向にスライドするように曲がるボール


「シンカー!」


「はい!」


パンッ!


「よし。次、スライダー!」


「はい!」


パンッ!