あきらめない ~ 青空の下のマウンド ~


そして、永岡くんは投球動作に入り、ボールを投げた


パァーンッ!!


ボールがミットにおさまる


130km/h


それぐらい出ているように見える


威力のある、重そうな球


「お前いい球投げるな!変化球はなにがある?」


門ちゃんがそう聞くと、永岡くんは1つだけ答えた


「カーブなら」


「じゃあ投げろ!」


門ちゃんはそう言って永岡くんにボールを返した


永岡くんはそのボールを受け取るとまたボールを投げた


パンッッ!


門ちゃんのミットからいい音がする


カーブには高速カーブと低速カーブがあって、永岡くんは低速カーブのほう


高速の場合は変化が小さくてもいいけど、低速の場合はすぐに変化球だとばれてしまうため、変化の大きさとキレが高速より求められる。


でも、変化の大きさもキレも申し分ない


それに、あの速さのストレートと組み合わせれば球速の差で相手を空振りさせることもできる