そう言って走って私の隣までくる啓
そんな啓を見ようとすると、もう首を目一杯に上げないと見えない
「身長何センチになったの?」
「んー…178だったと思うけど」
「10cm下さい」
「史花も伸びただろ?」
「150しかないもん。10cm分け与えても啓の方が高いんだからちょうだいよ〜」
「パワーでも入れましょうか」
「それで大きくなるのなら!」
大きくなるなーる
私の頭の上に手を置いて啓はそう言った
「はい。完了です」
「先生ー全く伸びてませんー」
「カルシウムが足りねーんだよきっと」
「牛乳…」
「史花飲むといっつも腹壊すんだろ?」
「うーん…」
そんな会話をしていると、後ろからいきなり誰かに抱きつかれた
「「わあっ!!」」
「お二人さんおはよー!」
「なんだなっちゃんか…」
「驚かせんなよ!」
ごめんごめん と謝り、私の隣で歩き始めるなっちゃん
「でもさ、こっちだって気使うんだよ?いきなり大きくなるなーるとか言い始めるから笑いこらえるの大変だったんだから!」
「聞いてたのかよ…」
みるみる赤くなっていく啓の顔
「あのおまじないは効かなかったな〜」
「ほら、言われてるよ桜庭!」
