ある日、他のクラスの前の廊下を歩いていたとき、教室で寝ている人がいた。
窓際の席に座って、小さく丸まって寝ている子。見てて、可愛い。
気になって、教室のなかへはいって、近づいてみた。あまり見えないけど、
綺麗な顔。優しそうな目をしていて、可愛い。俺はこの時一目惚れをした。
俺の初恋だ。高1ながら、ダサいが、本当に初恋。

「あっ!優っち!」「なに?」 「佐野原柚希ちゃん!」「えっ!?どこっ!?」
「アハハハハ(笑)引っ掛かった!(笑)」「晃樹(こうき)!お前!(`□´)」
斎籐晃樹(さいとう こうき)は小学校からの幼馴染み。
「でも、本当に好きなんだね~。あの子さ、優っちのことしってんの?」
「いや、たぶん知っていると…」「曖昧じゃねぇか!」
「話したこともないし、目も会わせてないから。」「いや、優っちはモテるのにさ~本当に一途だな~」「うるさいな!//」「まぁ、今日は遊ぼうぜっ!」
「わりぃ。今日はやめておくわ~。」「な~に?付き合いわりぃな~!」
「また遊ぼうぜ。」「あぁ。じゃぁ、またな!頑張れよ~優っち!」
晃樹と別れて、向かった先は図書室。ここは一番好きな場所かな?
定期テストがないから人はいない。すごく静か。だから、好き。
「ガラガラ…」いつも人はいないはずの図書室はいた。
奥の奥にあった白いソファーの近くにある本棚に一生懸命背伸びをして、手を伸ばし本を取ろうとしている女の子がいた。見たことある後ろ姿…。
見てて、可愛いから、とってあげるか…。そして、優は本を取り、彼女に渡した。彼女は顔をあげ、相手の俺をみた。あっ…柚希ちゃんだ…。
嬉しくなって、つい「佐野原柚希」。呼んじゃった。彼女はビックリしているけど、すぐ打ち解けた。やっぱり可愛くて、話せていることが奇跡ってほど。
なんか、このまま帰るのももったいない気がして、彼女に「優」って呼ばせて、
俺は「柚希」って呼ぶことにした。そして、彼女の額にキスをした。
やっぱり好きだよ…柚希………。俺は彼女に恋をする。………優sideEND