「なぁなぁ、浴衣着てきてほしい~?」

最近笑顔でちょこちょことまとわりつく悠季。

「お前、どんだけ楽しみなワケ?」

茶化すように、ぎゅっ…と悠季のほっぺたをつねった。

悠季は、顔を真っ赤にしながら、

「ひぇつにしゃにょしぃみゃらいもん」

―――と口を尖らせた。

「何言ってるか分かりませんよ―??悠季ちゃん♪♪」

俺は、笑いながら手を放す。

「…べ、別に楽しみじゃないもんっ!!」

悠季は、プイッと横を見た。

あ―あ。

また顔真っ赤にしちゃって。

食べちゃうよ?