黒猫side

「うっ………」

「おらぁっ!」

「っ……クソッ……強すぎだろ……」



『……………』

あぁ、つまらない

夜の街にでて2時間以上路地裏にいたのに

こんな雑魚共しか出てこないなんて


「くっそぉおおおっ!………」


無駄に叫びながら向かって来る雑魚共に呆れた表情しか出来ない

力の差はわかっているはずなのに

気絶したフリをしていればいいのに

なぜ立ち上がり、向かって来るのか理解出来ない



『……………ハァ…』

向かって来たそいつらの顔を殴り、腹を蹴る

大した力は入れてないのに壁に叩きつけられ雑魚共


「…………………」


全員気絶してしまったようだ



もう、ここに用はない



路地裏をぬけると、月光が自分を照らした

夜の闇に溶け込んでいた、黒で統一された服がはっき映しだされる


光は自分と相容れないもの

理解していても、すがりたくなる存在

その存在に問う

なぜ自分は闇として生を授かったのだろう

なぜ光を求めてはいけないのだろう



その答えはわかっているはずなのに、

違う回答を求めてしまう



『ハハッ………………』



嘲笑う

自分に

こんな愚かなことしか考えられない自分に



あぁ……感じない心があったなら

どれだけ…楽なことだろう……



…サァー……夜の風がフードを揺らす

少し暖かく感じるのは季節が春だからだろう

今日は帰ろう

また明日になれば新しい"獲物"も見つかるだろう

そう期待して