【BL】キュート王子とクール王子とバレンタイン【短編】


「で、先輩それはどうしたんですか?」

先輩は俺の教室の前で立っていた。


ただし両手に大きな紙袋を持って。

先輩が持っていたのは...紙袋からあふれんばかりの大量のプレゼント?


今日は先輩の誕生日だっけか?


そう思い

「先輩 今日は誕生日おめでとうございます!」

自分なりに精一杯の笑顔とハイテンションで祝う。


しかしそれは違うようだ。

「全然違うよ!?...藍ちゃんやっぱり忘れてたんだね!?」

今にも泣きそうな顔で先輩が叫んだから。


「...それじゃあ今日は何があったんですか?」

疲れたような声が出たのは俺のせいじゃない。

断じて俺のせいじゃないことを宣言する。


「今日は『バレンタインデー』でしょ!?」

「...あぁ」

リア充じゃない俺には関係のないイベントか。


先輩はモテるから...

だから今日はチョコレートがたくさん入っている紙袋を持っていらっしゃるんですねぇ......