それからまた数分後。
先輩がすっかり落ち着いたことを確認し声をかけた。
「先輩 皆さんの元へ戻りますよ?」
「...みんな?」
怪訝な顔をして俺を見た先輩。
事情を伝えるため 先輩を見つけた経緯について話すことにする。
「先輩のファンクラブメンバーですよ。
...皆さんが俺に先輩の居場所を教えてくれたんです」
「そっかぁ...それならみんなに『ありがとう』って言わなきゃねぇ」
また花のような笑顔を見せる先輩。
...この先輩 無防備にも程があるだろ......
だから先輩のファンがどんどん増えるわけだ...
軽~く頭が痛くなる。
もう少し人を警戒しろっていうか...なんて言うか...



