「...先輩?」
しゃがんで先輩と目を合わせようとする。
が、先輩は俺の方を見ない。
...そもそもこれは先輩なのだろうか?
不安が胸をよぎる。
とりあえず先輩の隣に俺は座ることにした。
それからほんの少し時間が経って先輩はようやく顔をあげる。
「...藍ちゃん......もしかして怒ってる?」
恐る恐るといった感じで聞いてきた先輩。
「勝手に消えたことは怒っていますがねぇ...」
チラッと先輩を見ながら言う。
身体をビクッと震わせ怯えた先輩。
...別にそこまで怯えなくてもなぁ
「俺は先輩が無事で今は安心していますよ?」
そういった俺に先輩はぱぁっと顔を輝かせた。
...とりあえずそういう先輩の表情を見れただけで俺は満足することにした。



