【BL】キュート王子とクール王子とバレンタイン【短編】


「おい、ため息をついている場合ではないぞっ!?」


男の焦り声が賑やかな通りに響く。



俺は先輩を探していて忙しかったが 仕方な~く相手をする。

もしかしたら先輩の居場所を知っているかもしれないしな


「...で、あなた方は俺に何か用があるんですか?」

「ヒッ」

普通に話しかけたのになぜか怯えられた。

最近はそんなこと...少なかったから軽くショックを受ける。


先輩が近くにいたから...みんな俺のことは目に入っていなかったのか?


数秒間無言の状態が続く...

先に口を開いたのは俺じゃなく メンバーのリーダー格っぽい男。


「お、お前は何をしてる!姫が...あの姫がわざわざお前のことを探していたんだぞっ!?......はやく姫がいる公園へ行ってやってくれ!」

「...ハッ?」


なにかと思えば先輩も俺を探してたって?

...お互い探していて入れ違いになったとかか?


しかし...

「どうしてあなた方が先輩の居場所を知っているんですか?」


だが男は俺の一番の謎には答えず

「悔しいが...お前じゃないと姫は喜ばない」

本当に悔しそうにつぶやいた。


男の背後からも大勢の男たちが

「そうだぞ!」

「お前しかいねぇんだよ!」

賛同の声をあげた。