【BL】キュート王子とクール王子とバレンタイン【短編】


「...これ以上スキップをするつもりでしたら俺から離れてくださいね?」

俺が顔をひきつけながら微笑んでしまったのがいけなかったのか?


「......藍ちゃんのイジワル!!!」

涙を落としながら先輩は全速力で走って逃げてしまった。



これはさすがに俺が悪かったな...

さすがに反省はする。



それにしても...演技ではない先輩の涙...初めて見た


しかも俺のせいで。




「...先輩っ!」

細かいことを考えてはいられなかった。


先輩が走っていった方向に俺も走る。


「どこに行ったんですか!?」

声の限り叫ぶも...先輩からの返事はない。


もうこの辺りにはいないのか?


嫌な考えがフッと頭をよぎった。