「あ、詩織、チャイムがもうすぐ鳴るって…」 「え、嘘っ!走る?」 「あたりめーだろ。はしらねぇとまにあわねぇよ。」 その言葉を聞いて私は蓮斗の手首をつかんで走り出す。 「……詩織、遅い。」 そう言って私を引っ張るようにして走る蓮斗。 そう、蓮斗は走るのが早いのだ。