だから今日、夏休み明け初めての学校で、詩織と話すのは初めてだ。




「あ……」



そんなことを考えてると詩織が登校してきた。




「詩織、おはよう。」



私がそう言うと詩織はチラリと私を見てから笑顔を作った。




「おはよ、綾香。」




不自然すぎるその笑顔。


一瞬にて作り笑顔ということがわかった。




「……詩織、笑顔作らなくていいよ。悲しかったら、泣いていいんだよ?」



私がそう言うと詩織はまた笑顔を作る。




「ううんっ、大丈夫。悲しくなんてないし、もう大丈夫だから。」




……胸が痛い。詩織は私の知る限りでは感情豊かな子で自分の気持ちに正直だった。



なのに……急にそれがなくなったなんて、蓮斗くん関係しか考えられない。