蓮斗ならわかるよね、きっと。 「アツモリソウ、だよ。」 少しドヤ顔をしてみる。 「この花には『移り気』とかいろんな花言葉があるけど……」 私が言いたいのはその花言葉じゃない。 「『君を忘れない』っていう花言葉もあるんだよ? ま、蓮斗なら知ってたかな…」 ………。 ごめん蓮斗。泣かないって決めてたけど無理みたい。 「……う…っ…れん、と……」 ポロポロ涙を流していると、奥の方から蓮斗のお母さんが来た。