「今日も…蓮斗のとこ行くわよね?」
「はい…」
「じゃ、今からいきましょう。」
蓮斗のお母さんのその提案にコクリと頷く。
車を発進させ、蓮斗のお母さんは口を開いた。
「詩織ちゃん、聞いちゃったのよね、昨日、私と山本さん…看護師さんの話を。」
蓮斗から聞いたのだろう。そう聞いてくる蓮斗のお母さん。
「はい…勝手にすみません。」
「ううん、詩織ちゃんが謝ることじゃないのよ。黙ってたのも悪いし。」
優しく微笑まれてしまい、言葉が出ない。
私より…蓮斗や蓮斗のお母さんの方が辛いはずなのに。
「詩織ちゃん、信じてあげて。蓮斗を。信じることであの子も生きられると思うの。ね?」
「はい……」
信じる、か。
「ま、これ看護師さんからの受け売りだけどね。」
蓮斗のお母さんは柔らかく微笑んだ。

