その文字の上に、涙がぽつりと、一粒落ちる。 この時は、両思いだった。 君もまだ、あたしのこと、好きだった。 あたしは涙をぬぐって、 出した思い出のものをそのままにして、 クローゼットを勢いよく開いた。 パジャマを脱いで服を着て、 急いで歯磨きをして、 財布だけもって外へ出た。 なんとなく、思い出巡りに。 多分、思い立った今しかできないから。 多分今のあたしは、 ここら辺で一番イタイ女の子。 けど、一番全力な女の子。