恋愛戦争




マンションにつき、隣同士のドアの前で30分後に晶が家に来るように念押しして一旦別れた。


俺も帰宅してすぐにやるのは荷造り。いつも使う旅行用のカバンにいつでも行けるように準備してある旅行用のグッズを投げ入れ準備即終了。


服なんて適当に2、3枚持って行くか最悪現地で買えばいい。むしろスウェットで過ごしたって別に問題ない。

歳だけ食うと金という余裕が生まれる。あ、でも空き時間あったら晶とデートしたいしちょっと格好つけよう。そう思う思考は中2のまま。


ものの5分でそれらを済ませて、さっさとキッチンに立つと冷蔵庫から適当に食材を出して行く。


時計の針は夜中の2時を刺そうとしている。こんな時間に馬鹿食いしたら胃が荒れて肌も荒れて撮影に響くので普段なら食べない選択肢をする。


が、明日は前乗りのためだけなのでオフ同然。まぁ、多少浮腫んだとしても大丈夫だろう。


そう思っていたものの、やはり身体を労ろうと作ったのはタマネギをベースにした野菜スープ。


晶が食べやすいように嫌いなものはなるべく細かく切り、食べれるものは大きく切ってどうにか隠す。トラックアートみたいなもんだ。


ちょうど出来上がった頃、インターフォンがなる。



「待ってた」

「お待たせしました」

「荷造り終わった?」

「うん。カメラさえあればどうにかなるかなって思って」



そう言いながらリビングまで来た晶はいい匂いするね、と言いながらふわふわ笑う。


夜中の2時だからなのか。エネルギーを使い果たしたからなのか。どこか緊張感のない危うい感じがする。