この時人生で一番勉強した。死ぬほど勉強した。試験までの残り4ヶ月でどうにかしようとするアホがいるかと父親には貶されたが、反対はされなかった。


俗に言う不良ではあったものの、幸いにも好きな人がいた学校に毎日行き、隣の席で横顔を見るために授業には参加をしていたため、勉強でつまづくことはなかった。


そして、俺はまじで頭がいい。晶が教えてくれた事をずっと覚えていたせいか、基礎だけはしっかりしていた。


そして俺は試験に合格し大学へと進学が決定。


それと同時に、人から羨ましがられる容姿に、スタイルを兼ね備えたスーパーな俺は知り合いに声をかけられたことによりモデル活動を始めた。


大学に入ると、これまで以上にバカみたいにモテた。

ふと時間ができるとふらふらと大学内を歩き、どこかに晶はいないかと探していたが、いつまでたっても見つからない。


その代わりに違う女に声をかけられる。


もちろん美味しく頂いた。据え膳食わねば男の恥である。

そんなクソみたいな大学生だったが、そらなりにモデルという職業にも定着してきていた。


自分なら、やっていけるとそう思える仕事に早い段階で気づくことができたのは、今となっては大きな収穫だ。


あれだけ頑張って入った学校でも入ってしまえば遊びまくる奴らばっかりの中で、俺はやっと見つけた。


洗練した空気を身に纏い、背筋を伸ばし堂々と歩く綺麗な後ろ姿にどれほど会いたかったか。



「あきら!」



心理学部の校舎から出てきた美人は振り向くと大きな瞳をさらに大きくさせた。


そして


爆走した。


しかも俺がいる方向とは全くの逆方向にだ。それはもう脱兎のことく。



「は?なんで逃げんの?」



呆然とそこに立ち尽くした俺はなぜ女の名前を呼んだだけで逃げられたのだと、意外と傷つくなぁと1人感想を述べた。



そらから数ヶ月後のことだった。


彼女がカメラマンをしてると知り、無理やり事務所へと押しかけたのは。