「あの...先輩」
亮介が帰って1人になったとき、声をかけられた。
「何?翔君」
倉持翔 清堂高校野球部1年そう、紛れもない亮介の実の弟なのだ。
「先輩って、兄貴のこと好きなんですか?」
ブフォッ!!!!私は飲んでいたお茶を吹き出した。
「な、何でそう思うの?」
「…さっきの話聞いちゃいました。」
「!!!!!!!」
「やっぱりそうなんですね。」
「翔君…絶対に絶対に誰にも言わないでね?約束しよ?」
「分かりました。約束ですね。
でも、兄貴は先輩の気持ち気付いてるんじゃないですか?」
「翔君もそう思う?私もそう思うの...。気付いてもてあそんでるんじゃないかって思うんだけど…。」
「あ、でも兄貴も先輩のこと好きかもしれませんよ?兄貴、嫌いな人とは話もしませんし。」
「ほんとに?」
「はい。」
「じゃあもう少しだけ頑張ってみようかな!」
「僕、応援してます!頑張って下さい!」
「うん!」
翔君はほんと素直だなー。亮介と兄弟なんて信じられない!でも、後ろ姿はほんとそっくり。そんな事を思いながら帰っていく翔君を見ていた。