「…篤人!お前、遅ぇよ!!」
「…悪ぃ、寝坊した」
後ろから聞こえてくる声。
あたしは、ドキッとした。
…あの人だ。
ずっと会いたかった、あたしの好きな人。
…あたしの、初恋の人。
「…麗?」
「えっ⁉︎」
いきなり名前を呼ばれ、体がビクッとした。
まさか、こんなにも早くあたしに気づいてくれるなんて思ってなかったから…
こ、心の準備が…
「何驚いてんだよ、まさか俺のこと忘れた?」
「わ、忘れるわけないじゃん!篤人のバカ!!」
…って、あたしは久々の再会なのに何てこと言ってんのー⁉︎
「お前にバカって言われたくねぇよ。…つーか、身長縮んだ?」
「ひどーい!身長のこと気にしてるんだから言わないでよ!!」
…あれ?
あたしが身長伸びてないせいかもしれないけど、篤人は身長伸びたんじゃないかな?
しばらく見ない内に、また身長伸びたんだ。
…背が高くて、顔も大人びた気がする。
篤人も大人なんだなぁ。
「…篤人は身長伸びた?」
「んー、まぁそうだな。お前に分けたいぐらい」
「…もう、あたしは平均的な身長なの!」
「綾瀬よりチビじゃん」
…ムカつく〜!
こういう子供っぽいところは昔から全然変わってない。
でも、それが篤人の好きなところなんだけどね。

