あなたが好き。















何種類か委員はあるけど、やりたいと言ってくる人は誰もいなかった。




「…じゃあ、仕方がないから俺が適当に推薦しちゃうぞー」




それでも、誰も何も言わなかった。



そして、次々と先生は委員を推薦していった。
…残るは図書委員のみ。




「じゃあ、図書委員は…立花!よろしく頼むなー」




「…えぇ⁉︎は、はい」





と、図書委員かぁ…
何するんだろう?
でも、まだ楽そうな仕事でよかったぁ。





すると、前の席の篤人はこっちへ振り向いた。





「推薦されちゃったな」




「…うん。でも、本は嫌いじゃないし!」





「…あぁ。そういえば、中学のとき麗に薦められた本読んだの思い出した」




「えっ?…あぁ!あったね!篤人すごく興味無さそうだったよね」




「俺、本なんか読んだことなかったし」




…そうだ。
中学の頃、あたしと篤人が一緒に図書室で勉強しに行ったときの話。
勉強に飽きたあたしたちは図書室を探検した。
そのときに見つけた一つの本がとても面白くて、ずっと篤人に薦めてたことを思い出した。




…あの本、あるかな?
図書委員になったんだし、あの本をもう一回読もうかな。




HRが終わった後、先生から図書委員の仕事説明を受けた。
あたしの仕事は毎週水曜日。
本の整理や貸出しをするみたい。



よーし、頑張ろっと。





図書委員になった、この運命があたしの人生を変えるきっかけになるなんて…