右肩にドンっという衝撃が感じられたと思ったら、前にいたのは人。
…あ、ぶつかっちゃった、のか。
「あの、ごめんなさ……」
「俺こそ、ごめん。じゃ」
あれ。
今の、声はまさか。
「ったく、気をつけろよ天海!」
「………」
「……?天海?」
「……委員長…
今の人って………」
「え?
あの南雲 瞬じゃねぇの?」
「………」
「…?
なんだよ、そんなに見つめて。
俺に惚れたか?」
「寝言は寝て言え」
「ひどい言い草!」
俺いい加減泣くぞと喚いている委員長を尻目に、ちょっとショックで放心状態な私。もともとイケメンに耐性がないので、人気者のイケメンくんにぶつかったショックはそれはもう大きい。それにこの前風の噂で聞いた話だと、南雲くんに話しかけただけであの取り巻きの女の子達にいじめられた子もいるらしい。さ、流石にぶつかっただけで報復は…いやでも女は怖いというし…ああ自分のビビリな性格が憎い。
「…おい天海本当に大丈夫か?
具合悪いなら保健室連れてくぞ」
「…委員長のくせに一丁前にエスコートしようなんて生意気だよ…」
「…おま…!
人がせっかく親切にしてやってんのになんて奴!」
「うそうそ、ありがとね。大丈夫。
ちょっとぶつかって吃驚しただけだから」
「…気をつけろよな」
「はーい」
まぁ、大丈夫だろう。今年の私は運がいい筈だから。
だって初詣の時に引いたおみくじ大吉だったしね!

