キミを独り占めしたい。


「こらーまだ席に着いてないのか。授業始めんぞ!」

先生が入ってくると慌ててみんな席につき始める。

授業が始まりガタイのいい先生が黒板に書く数式を必死に写しながら、チラッと窓の外を見た。


(あっ、圭介だ…)

グラウンドで男子が鬼ごっこをしている。

追いかけられながら笑っている圭介の姿をすぐに見つけて、少し胸がきゅんとなる。

「おーい柏木、聞いてるのか?」

ボーッと窓の外に見入っていた私は、突然の先生の声に慌てて黒板を見た。

みんなの視線が突き刺さる。

「…す、すみません。」

「お前ももう受験生なんだからな。」

「はーい…」