「そういえば、今度転校生くるらしいよ?」

「そうなの?こんな時期に?」

「なんか、噂では帰国子女だって!うちのクラスかなぁ〜?一人少ないしさ。」

「さっちゃん転校しちゃったもんね。」

かつての級友を思い出して、懐かしくなった。

小学生から一緒の女の子は、さっちゃんだけだったから、すごく寂しかった。

「イケメンだったらいいなぁ〜」

良子がニヤニヤしながら私をみた。

「ねっ!」

「ねっ、って言われても…」

あからさまに困った顔をすると、良子がため息をついた。

「そっか…あんたは人間対象外だったもんね。」

「ちがうわ!もうっ。良子、怒るよ?」

好きな人を猿と言われてもあまり良い気持ちはしないのが当たり前だ。