私は泣くのをこらえて、黙ってた。 織くんも。 「じゃあ行くか」 織くんのお父さんが言って、みんな車に乗り込もうとしていた。 すると、織くんが振り返って、こっちに走り出した。 「織くん...?」 「手出せ」 言われたとおりに手を出すと、 「指輪...」 「チェーンが通してあるから、それ首から下げて持っとけ」 「...ありがと」 「俺も持ってるから。絶対に迎えに来るからな!それまで誰のものにもなるなよ」 「うん...!約束する!」 そう言って織くんたちは引っ越していった。