退院から数日後……


俺と直樹さんと裕樹はあるお宅を訪ねた。




俺らの目の前には、大きな和風の家。

その表札には「結城」と書かれている……


瑠奈の入院中に結城さんと約束した事がすぐに実現したんだ。


「…………凄いな……」

裕樹が思わず呟いた。

「るーはここでお世話になってたんじゃな」

直樹さんはホッと安心した様子だった。

「ほんと瑠奈は大物と出会う確率が多いですね」

思わず苦笑いが溢れる。

瑠奈は意識してないんだろうけど、何故か大物と呼ばれる方々と知り合いになっている事が多い。


「押しますね」

俺はインターフォンを押した。

すると直ぐに中から、人が出てきた。


「結城さんと会う約束をしている白井ですが……」

「お待ちしておりました」

その人はにっこり笑って中へ入れてくれた。


「椿の間で、旦那様と奥様がお待ちです」


そう言いながら、玄関に案内されて椿の間に通された。




「旦那様、白井様がお見えになられました」

「お通ししてくれ」

その言葉を聞いて、サッと襖が開かれた。