「とりあえず瑠奈。しばらく入院な」

「⁇ どうして?目、覚めたよ?」

やっぱり気づいてないんだな……

「瑠奈、熱出てる……」

「え?ほんと?全然わからない。気のせいじゃない?」

「さっき体温測ってるから………」

「そうなんだ……迷惑かけてごめんね……」

「気にするな。俺たちはいつでも瑠奈の味方だからな」

俺の言葉を聞いて安心したのか、だんだん眠たそうに瞬きをしだした瑠奈。

「ん……あり、がと」

「瑠奈、眠っていいよ。俺が側にいる」

裕樹の言葉で瑠奈の意識はプツリと消えた……






「多分瑠奈の熱、上がると思う」

俺の言葉に頷いた裕樹。

「いつもそうだもんな……無茶するんだよな……身体、大事にして欲しいよ」

瑠奈には難しいお願いなのは分かってるけど、願わずにはいられない。

「今は目の前に居てくれるだけいいって事にしよう。体調も把握出来るし」

「だな。俺、一度家に戻るよ。親父に連絡しなきゃだし。入院するなら荷物もいるしな」

「じゃぁ荷物は裕樹に頼むな」

「任せろ」

そう言って、裕樹は瑠奈の頭をそっと撫でて部屋を出て行った。