病院へ着いて、受付を済ます。

意識がないことと、希望の先生も伝える。

受付の人には困惑されたが、

「無理なら、白井先生の知り合いだから声だけでも掛けて」

と、妥協策を提案しておいた。

響の腕の中で横たわる瑠奈は、青白い顔色で、今にもここから消えてしまいそうな雰囲気を醸し出している。


白井病院はこの辺りでは人気の病院で、待ち合い場所はいつも人で溢れかえっている。

こんな中、優先的に治療をしてもらうのはなかなか難しい……

長時間待つことを決めた矢先、すぐに呼ばれた。

響も待つことが分かっていた様で、2人で顔を見合わせた。

「とりあえず行こうか?」

そう言って、言われた診察室へ足を進める。

ガラッ

診察室を開けると、そこには息を切らせた拓海がいた。


「久しぶりだな……
受付から連絡もらってすぐに来たよ
………その響が抱いてるのが瑠奈か?」

「「あぁ」」