裕樹side…

目の前で突然倒れた、瑠奈を咄嗟に受け止めた。

……っっ‼︎ あぶなかった〜。


「瑠奈?瑠奈大丈夫か?」


声を掛けても反応がない……


「おいっ、響っっ。今から店閉めて、車取ってこい」

店内に聞こえる様に大声で叫んだ。

「裕樹(ヒロキ)、何言ってんだよ…って、瑠奈?まさか……」

「多分そのまさかだよ。瑠奈、めちゃくちゃ軽いぞ」

「マジかよ……分かった、取ってくる」

響は、目の前の駐車場に車を取りに行った。

店の鍵を閉めて、closeの札を掛ける。

響が用意した俺の車で急いで病院へ向かう。

「拓海(タクミ)のとこでいいよな?」


俺の言葉に頷いた響

「あぁ。瑠奈の事少しでも知ってる人のところ方がいいな」

拓海とは、俺と響の昔の仲間で、今は白井病院の院長をしている奴だ。

昔から食に全く興味を示さない瑠奈が、よくお世話になっている病院の医師でもある。

「瑠奈……いつから食べてないんだよ……」

響の声が車内で虚しく響いた……