「ん?聞いてやるから言ってごらん」

低音ボイスで優しく諭されると弱い……

「ちょっと人との関わりが、嫌だなって思う事があっただけだよ。
大丈夫。心配しないで」

にっこり笑うと、

「瑠奈の『大丈夫、心配しないで』は信用出来ないからなぁ……」

と本人の前で堂々と信用出来ない宣言されてしまった。

「嫌な事、溜め込んじゃダメだよ」

「ん………ありがと。裕くん」

優しく諭されると、安心して思わずコクンと頷いてしまった。





「じゃ、俺は瑠奈の可愛い顔も見れたし行くとするかな」

おかしいな……さっきから裕くんの声がだんだん小さくなってる……

あれ?体に力が入らないや……


そういえば、散歩に出る前から、随分とご飯食べてなかったかも知れない……


ドサッ


「………瑠奈?おい、瑠奈?どうした?」


裕くんの焦った声だけがキッチンの奥で響いていた。