店内を少し歩くと彼等の元に辿り着く。

もう関わりたくないな……

なんて思いながらも

「お待たせいたしました。ラーメンと、オムライスです」

彼等の元に行かなきゃならない。

にっこり完璧な作り笑いをしながら、机の上に置く。

「っっ‼︎‼︎……瑠奈……」

樹の声が聞こえた。

樹に顔を向けるけど、目は見たくない。

完璧な作り笑いを貼り付けて、樹に視線を向ける。

「そんな顔するなよ……」

樹は悲しそうな顔をしていた。

「………ごゆっくりどうぞ」

笑顔を貼り付けたまま、ひびの元へ戻った。




「瑠奈、これも頼むな」

渡された物は、残りの注文分。

「………わかった」



彼等の席に近づくと、4人が顔を寄せ合って話していた。

「いっくん、あの子の笑顔綺麗すぎるね。お人形さんみたい」

双子の茶髪が呟いていた。

「あぁ。バスで会った時はもっと可愛かったよ。今ほど拒絶してる感じはなかったしな……」

「………俺のせいかな……」

「強いて言うなら、俺等のせいだな」


何だ、分かってるんじゃん。

なら、これ以上関わる必要はないよね。





よし。

気合いを入れて声を掛けた。

「お待たせいたしました。
ハンバーグ定食と、唐揚げ定食です」

今度は自然な笑顔になるように心掛けて………