今住んでいる場所からバスに揺られ、気づいたら知らない土地へ来ていた。


この辺りは初めて来たかも…

ちょっと散歩でもしようかな。



ピッ

……………

結構料金が掛ってしまっていた。


ICカードの表示を暫く見ていたら後ろから、トンッと押された。

「わっ」

「ねぇ、さっさと降りてくれない?」

「あ、すみません」

慌ててバスを降りた。



ここからどこに行こうかな?

辺りをキョロキョロしていると、さっきバスで押してきた人も降りてきた。

さっきの一瞬では分からなかった容姿が今ハッキリわかる。

目鼻立ちがハッキリとしていて、いかにもモテそう。

身長も高く見上げないと見れないくらい。

って、私が小さいのか…

ダークブラウンの髪も少し遊ばせられる長さがあり、所々ツンツンしている。


「さっきは感じ悪くてごめん。早くしないと俺、降り損ねそうだったから……」

「いえ、私の方こそ立ち止まったりして、すみませんでした」

「これからどこ行くの?」

「……えっと…特に決まってません」



まさか行き先を聞かれるなんて思ってなくて、驚いた。

「え・・・行く当てもなく、降りた感じ?」

「はい、そうですね」

「女の子なのに、探索好きなんだね」

「……?? 私の中では普通ですよ」

「へぇ。結構アクティブなんだね」

「……私はただ、色んな事を見てみたいんです」