「はぁ〜」


3月の頭。


まだまだ空気はキンと冷たく、少女の頬は赤く染まっていた。



ここは『青葉学園』
偏差値は至って普通のどこにでもある私立。





「あっ!日高せんぱい!」

少女の表情はたちまちに綻び、折れそうに細い足は自然に日高に向かって動き出す。



「…ユカ」



そしてまた日高もユカを目にした途端、表情が崩れた。