「やっぱさ!早瀬くんカッコいいよねぇ」



「もう…梨香は早瀬くん、早瀬くんってそればっかうるさい!」



「だって美奈ちゃ~ん…見てよ…」



「うわ……なにこれ…」



「なにって…早瀬くんコレクション♡」




数日前までの私はいわゆる学校の王子様、早瀬玲矢くんをこよなく愛するファンの中の一人であった。



「コレクションってアンタさぁ…盗撮は立派な犯罪だよ?」



「いいじゃ~ん…だって話したりできないんだし…」



早瀬くんとお話したり


一緒に遊んだり


アドレスを交換したり



そんなことはできない。


そんなのが出来るのってやっぱり可愛くて、美人で、早瀬くんに似合う女の子達ばっかりなんだろうなぁ…って思う。




「梨香も話しかければいいじゃん?」



「むっ…無理だよ!!!」



「なんでよ」



「だって私…可愛くないし…」



「梨香は可愛いよ、充分」



「話しかける勇気もないし…」



「そんなの梨香が弱虫だからじゃん」



「ふぇ…美奈ちゃあ~んっ!!」



「あーもう、うっとうしい。自分が弱虫で自信がないからってそうやって隠し撮りした写メずーっと眺めてるの?」




「うぅ…」




「ただの変態だね」




そう、ただの追っかけ変態だった。













数日前までは……