さらさんに 雅人の今の気持ちを聞いてから もう何も考えられなくて ただ一人、呆然として イスに座っていた。 ねぇ。 もし、もし今私が 雅人に 今までの私の気持ち 全部伝えたら、 雅人はどうするのかな? でも、 あたしには 春樹先輩が... ずっと側で支えてくれて 私を笑顔にしてくれた春樹先輩。 私が初めて愛した雅人。 どっちも大切で どっちも大好きなの。 自然とこぼれおちる涙を 自由に頬に伝わらせて 声を押し殺して泣いた。 その時だった。 「まーた泣いてる。」 彼の声が聞こえたのは。