雅人って誰?
今にも口から出てしまいそうな
言葉を必死で抑えた。
ダメだよな。
これは葵ちゃんだけの
俺が決して入るコトの許されない
大切なものだと思うから。
キョトンとした顔で
見上げる葵ちゃんの顔を見ていると
知りたい,という毒気を
抜かれていく気がした。
「なんでもないよ!
元気になってよかった。」
「ありがとうございました!
でも
本当に迷惑かけてごめんなさい。
こんな一晩中看病して
もらっちゃって...。」
迷惑なんかじゃないよ?
もっと...
「俺を頼ってよ?」
「え?」
少し混乱した顔で
俺を見つめる。
「...辛い時はいつでも
頼りにしてよってコト♪」
「...も」
「ぇ?」
「先輩も..何かあったら私に言って下さいね?」
バカヤロ...
そんなコト言ったら..

