私を惚れさせて。私の虜になって。




目の前が動いた気がして目が覚めた。


「すがちゃん?起きろー」


ゆさゆさと、優しくゆすられてる。


あ、朝か。


今日、か。


やだ。始まって欲しくない。

「おーい?起きろー」


だから、寝たふり。

「おい。起きてんだろ」

ピタッと動きが止まって。

ちょっとだけ怖い声がする。

…もう?


もう、気づかれる?


やだやだ。


「起きて。すが」


「ひゃっ」


「おはよー」


耳元で囁いて、私の不意を突いて。


こんなほくそ笑んでる。


「…はよ」


狸寝入りはばれたけど。


「はよ!じかんねぇから!飯!」


ここからじっと、動かなければ。