私を惚れさせて。私の虜になって。

形のある思い出が何一つ残ってない。

全部、私の中だけなの?

私にちゃんと、お母さんが居たんだよって、証明できないじゃん。

ねぇ、やだよ…。

やっぱり。

1人、じゃんか。

どうしたらいいか、わかんないよ…。

あの時、家に戻ればよかった。

強がってる場合じゃ、なかったんだよ。

「…すがちゃん」

「へっ?」

「また泣いてんのかよ…」

ぎゅっと抱きしてられた。

「ごめんね…」

「何で謝ってんだよ」

「ごめん…」

「だから謝んなって!」

優しく、頭を撫でられて。

そのまま、その手が私の腰を強く引き寄せる。

「ねぇ、」