私を惚れさせて。私の虜になって。

「1時間ぐらいすぐだぞ!芝原だって、余裕で通えるじゃねぇか!」

そりゃ、そうだけど。

もしかしたら同じ時間で、もしかしたら車両まで一緒で、なんて、考えてたのに。

夢を膨らますなんて、ばかだ、私。

「な!大丈夫だって!!」

ベタベタしてきた髪をわしゃわしゃと撫でてくれる。

「……ん」

あがいたって、しょうがない。