明るいフリをして、たくさんの人を抜かしながら山の下に着いた。

まだまだ、復旧していないそこは、つい3日前にあった賑やかさをすっかり忘れている。

あぁ、嫌だ、

なんて、思っちゃダメで。

「菅原…」

「何?」

「……いや、その…」

もう、こういう運命だったんだよ。

きっと、これが最後。

「あ、電車来るよ!!じゃあねっ!」

涙は、隠して。

「また明日!」

きっと、それは、来ないけど。