「落ち着いてるよ。親戚もいないしさ。いるけど、血繋がってない私のこと、毛嫌いしてたしさ。多分貰ってくれないからさ」

あぁ、落ち着いてないかもしれない。

口が、止まってくれない。

こんなこと言ったって、松木が困るだけだよ。

「そういうのって、どっかに預けられるんじゃないの?」

「…お前…」

「なによ」

私の頬に手を添えた。

「んなこと考えてたのかよ」

「…悪い?」

「いや。俺が悪かった」

松木は、私の代わりのように私に謝った。

「それでも、いいから」

「え?」

「それでもいい。すがちゃんがどこに行こうと、すがちゃんが好きだから」

ストレートすぎる言葉に、不謹慎にも恥ずかしくなる。

暗くて、夜中でよかった。