私を惚れさせて。私の虜になって。

泣こう、って。

思ったけど、泣きたいけど涙は見当たらない。

2人とも寝てるんだったら、誰も私を慰めてなんかくれなくて。

なんか…わかんないけど、嫌だ。

それでも私の脳裏にはたくさんの思い出が蘇ってくる。

つい、この前お母さんと仲良くできたのに。

ほんとに、ついこの前なのに。

1人でふて腐れることも、なくなったばっかなのに。

親孝行とか、全然、ほんとに全然やってないよ…。

どうして、くれんのさ…。

「…なぁ、ちょっといいか?」

「…ん?」

松木はむくっと起きた。