私を惚れさせて。私の虜になって。

「言わない。おやすみ」

できるだけ、穏やかに言ったつもりなんだけど。

「…そーだよな。俺らなんかとは違うんだもんな」

なにに同情したのか、そんなことを言って私をホールドしていた腕を解く。

膝の上で手持ち無沙汰だった私の手を優しく包んだ。

「変なこと言って、ごめん」

何に謝ってるんだろう。

「ううん」

ほんとなら、こんな状況、ドキドキするしかないのに。

他のことが頭にへばりついていて、感じない。

「眠くなってきた」

「ん。おやすみ」

言葉とともに、私の手を握った。

「俺も、寝る」