私を惚れさせて。私の虜になって。

忘れなきゃ、なんて、思わないけど。

いつまでも、泣き崩れてたって、何にも変わらないよね。

こっそり、顔を上げると、

どうしたらいいかわからないような様子で、でもなんとなくそれを食べている。

「…やっ」

お母さんが、無くなっていく。

もうそれを見えないように、膝を抱えて、いつもより強く、顔を埋めた。

「これ、やっぱ、美味いよな」

「…うん」

「…なんか、食ったことある気がする」

「…あるよ」

1回、私のおにぎり、とったじゃん。