私を惚れさせて。私の虜になって。

その学ランを、潰れちゃうぐらいに握りしめて、涙だらけの顔を埋める。

「…おい…」

「…ん」

「大丈夫かよ」

「ううん」

大丈夫なんかじゃ、全然ない。

「そっか。そうだよな」

「…ん」

なんにも、わかんないくせに。

私の気持ちなんて、全然わかんないくせに。

「食欲、ない?」

「…うん」

きっとこの学ランは、びちょびちょだ。

「じゃー、とっとくか」

ずっーと、このおにぎりを、とっておこうと思えば、出来るけど。

そんなこと、したら。

「食べて、くれる?」

こんないつか腐るものを、お母さんだなんて言って、ずっと持って、しがみついてしまう。

「…いいけど…」

「はいっ」

勢いよく、それを押し付けた。