私を惚れさせて。私の虜になって。

なんで、なんで私なの。

お父さんがいなくて、お母さんとも血が繋がってないのも、友達に嫌われるのも、殴られてなかなかアザがなくならないのも、たまたま家族が遊びにいったところが土砂崩れになるのも。

なんで、1つも2人には当たらなくて、なんで、全部私に降りかかってくるの?

…私、そんなに悪い子?

何かいけないことしましたか?

だから、こんなことになっているんですか?

「うっ…」

「…もしもし?俺。あのさ、菅原友李んち、わかる?」

泣き崩れた顔を上げると、まーくんが電話をしていた。

「なんか、家族と連絡つかないんだって。見に行ってくんない?…おう。…。よろしくな」

電話を切って、私に向く。

「菅原んちまで行ってもらうから」

悪いんだけど。

お節介だよ。