私を惚れさせて。私の虜になって。

「おぉー。あったけー」

「まーのもまだいけんじゃん」

「こっちのがよくね?」

「そうだけど!いいじゃん。減るもんじゃないし」

「や、減るぞ?」

2人は普通に喋っているけど。

どうも私はそんな気分じゃない。

「すがちゃーん」

「…ん?」

「ほいっ」

松木のカイロを私に投げる。

…あったかい。