私を惚れさせて。私の虜になって。

「いやー…何でも」

「帰るまでに、腫れ引く?」

「いやー、引かんだろ」

お母さんにも、優葉にも、バレちゃうじゃん。

「じゃあ、受験までには?」

もうあと、1ヶ月もない。

「それは…たぶん大丈夫じゃね?」

「…ほんと、どうしよ」

勉強だってしたい。

でも、我慢できないぐらい頬が痛い。

「…まー、帰ってこないよな」

「まだこないでしょ」

そう言うと、松木は何かを覚悟したような目をした。