ぴあの。

「左手がドとファで、右手がシとソとミですね。」

「…よっし。こうか」

「うん!そうそう!上手ですね」

「結愛の教えかたがいいんだよ!」

「あ、ほんまに~?笑うれしい!」






プルルルルル…プルルルルル……


「あ、電話だ。でていいですか?」

「うん。どーぞ。。」



「……はい。えっ?父が?……え?」



その電話の相手は病院だった


『中田結愛さんですね?落ち着いて聞いてください。結愛さんのお父さんのからだから。。癌と思われる影が見つかりました。ただいまお父さんには入院をしていただいております。こちら側としても最善の手を尽くしますが。もう手遅れかと……もって3ヶ月です』







わたしのお父さんが


癌?



テレビでよく見るやつ?


死んじゃうやつ?


そんなの……

うそ。だよね?


心のなかで気持ちを精一杯整理する


でも出来ない


「電話。だれだったの?」

「……病院。お父さん、癌だって。もって3ヶ月……なんだって。」

「え……そっか。。つらい。よな」

「……どうしよう。わたしお父さんと会うと絶対喧嘩しちゃうような。。仲が悪くて。でも。……でも!あと3ヶ月しか一緒にいられないっておもうと急に……!大嫌いだったのに!!こんなに胸が痛い……っ!」


涙が自然に溢れる

お父さんなんか死んじゃえって

小さいときずーっと思ってた


私がピアノで賞状をもらっても

なにもゆわないし。

お父さんは私になんか興味がない。
私はいらないこって



ずっと思ってた


なのに。


何でこんなに涙が溢れるの?

こんなに悲しいなんて

お父さんにはあと3ヶ月しか時間がないなんて

あまりに唐突すぎて。


「うぇぇえぇええぇぇん……!ど、どうしよ、……私。お父さん……っ!大好きだった…………っ!!!」


「結愛……」

っ!


隆さんが抱き締めてくれた


私、お父さんを失って

私を叱ってくれる、否定してくれる存在がいなくなっちゃって


私は……



「その3ヶ月をさ。結愛とお父さんの最高の思い出にしようよ。このままなにもしないで後悔しても。お父さんはもういないんだよ。3ヶ月の間に今まで伝えられなかったことを伝えよう。」


「隆さん……」


「ね?頑張ろうよ。俺もピアノ頑張るし!お互い様だね」


「うん!」