said梨依華

「お母さんお母さん!こっち、こっ
ち!」
「はいはい、本当元気な子だこと」
うちのクラスはどこかなぁ?
……あっ!
あったあった。
1-5かぁ。
あっ、恵美里(えみり)と一緒のクラスだ!
やったぁ♪
「なんか凄い嬉しそうやな、梨依華」 梨依華の背後から、聞き慣れた声がし
た。
「あっ恵美里だ~!同じクラスだ
よ。よろしく!」
「おぉ、マジで!?」
「うん、マジ」
恵美里っていうのは、うちの親友!
美人で性格もいいから、よくモテる。
うちとは大違いな女の子~涙
だいのイケメン好きで、
*★*LUCIFER*★*(ルシファー)っていう、イケメンバンドグループが大好
き!!
恵美里が一緒のクラスとかマジラッ
キー♪♪
楽しくなりそうだ!!
教室に入るとみんなの視線が一斉にこ
ちらへ向いた。
見られてるなぁ、うち、緊張するんや
けど!
「緊張しすぎだよww」
「そっそっそそ、そうかな?」
「うんww」
二人で話しながらお互いの席に着い
た。
恵美里の席は、梨依華の席の前の席
だった。
よかった。
周りが話したことない人ばっかりやっ
たらどうしようかと思ったよぉ~。
「きゃぁぁぁああ堺斗(かいと)くんだぁ!!」
「かっこいぃぃぃ」
「やっぱイケメン~!!」
えっ!?
何この声は!?
「ほうほう、あれが堺斗くんです
かぁ、確かにイケメンやな」
「誰?堺斗くんって」
「えっ!?梨依華知らんの!?あの堺
斗くんやで!陸部に入部しようとして
るのに知らんの!?」
「う……うん、存じ上げないです……」
堺斗くんってそんなに有名人なの?
うち、全然知らん……陸上に関係ある人なんかなぁ。
「マジかよ……でわでわ、この恵美里先
生が教えてあげましょう!」
「お願いします!恵美里先生ww 」
先生って、ぷっぷぷ。
「はい、そこ笑わない!!」
「はい!」
「んじゃぁ、話すよ」
恵美里先生の話をまとめると。
堺斗くんって人は、陸上のプリンスっ
て呼ばれている程凄い100メートルの選手らしい。
そしてルックスがむっちゃよく、女の
子にむちゃくちゃモテるらしい……。
陸上を小6からしてるうち、なんで知
らんねん。
「わかった?」
「うん!よ~~くわかりました。なん
でそんな有名人、うち知らんかったん
やろうなぁ?」
「ほんまによ」
「そろそろ席に着けよ~」
先生が来た。
緊張してきたわ~ドキドキやぁ。
先生の話、耳にはいってこうへん。
「よし、俺の自己紹介が終わったこと
だし!入学式へ行くぞ。男女別名前順
に並べ~」
入学式~校長先生の話長いかな?
寝ちゃわないように気を付けなきゃ!
「よしっ、入場するぞ」
ードンドンドンドン
じょ、上級生の視線が!!顔じっと見ないでください~涙
顔に自信ないからぁ!!
ードンドンドンドン、カタンッ
椅子までそんなに距離なかったはずな
のに長く感じた……手汗やばっ。
「これから入学式を開会します」
入学式が始まったみたいだ。
先生の話を黙って聞くだけでいいよ
ね!
楽にしとこっと。
「う~……」
校長先生の話長い、長すぎるや
ろぉぉぉお!!
眠い。
話はよ終われやぁ~。
ヤバイ、マジ寝そう……。
「………す~………」
梨依華は、寝た。
起きてから後悔することに気付かず
に……。